


ご覧頂きありがとうございます。
弊社が取り扱っているサスティナブル生地の一つである リサイクルウール について
先週よりシリーズでお話しています。
最終回の今日は リサイクルウールの糸を作る工程[後編]
調合された反毛を紡績し糸にする
についてお話します。
リサイクルウール(反毛)を糸にする工程
前回お話したように、リサイクルウールの原料から糸になるまでの工程はこのような流れです。
①選別・色分け → ②裁断 → ③反毛機にかける → ④反毛を調合 → ⑤紡績
前回でこの中の①~④をお話しましたので、今日は最後の ⑤紡績 です。
⑤紡績
指定の素材、色に調合された ワタ(反毛)を糸にします。
反毛工程を通すとリサイクル前よりも強度が弱くなります。糸としてある程度の強度が必要なので
ナイロンなどをブレンドし強度を補います。
リサイクルウール100%の糸があまり無いのはこのためです。最近ではエコ意識の高いものは補強として
ブレンドするものもリサイクルナイロンなどを使用したものが出ています。
ワタ(反毛)を紡績機にかけ、縒り(より)をかけながら糸にしていきます。糸の強度のためには
縒りを強くした方が良いのですが、強くするほど硬い糸になります。ウール本来の柔らかであたたかみ
のある触感を活かすため、縒りの加減の調整が重要です。
リサイクル原料のため全く同じではないワタ(反毛)を、毎回同じ位の強度、風合いの糸に仕上げる
には、ここでも豊富な経験と職人の技術や知恵が必要になります。
少量を管に巻いた糸見本(通称イモ!)で糸の色具合、強度、伸度などを確認し、良ければ
ワインダーアップ(巻き上げ)し、リサイクルウール糸の完成です。
①から⑤の様々な工程と職人の技を経て新しい糸となったリサイクルウールは、また織物や編物などに
なり新たな製品になります。
環境問題改善のひとつとして話題のリサイクルウールですが、この尾州産地に古くからある
自然から頂いた大事な資源を大切に使い続ける気持ちと、そのために長年積み上げてきたすばらしい
知恵と技術を今後も受け継いでいきたい、そんな想いでササキセルムはリサイクルウールの商品開発
と提案を今後も継続的に行ってまいります。