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弊社が取り扱っているサスティナブル生地の一つである リサイクルウール について
先週よりシリーズでお話しています。
2回目の今日は リサイクルウールの糸を作る工程[前編]
集められた原料で反毛(はんもう)を作る と
反毛(はんもう)を指定の色に調合する についてお話します。
リサイクルウールのワタ 反毛(はんもう)を作る工程
リサイクルウールの原料から糸になるまでの工程はこのような流れです。
①選別・色分け → ②裁断 → ③反毛機にかける → ④反毛を調合 → ⑤紡績
この中の①~③がリサイクルウールの ワタ(反毛)を作る工程になります。
①選別・色分け
リサイクルするための古着、裁断くず、繊維工場の捨て耳などは、原料商と呼ばれる業者に集められ、
仕分け工場で素材別、色別などに細かく仕分けされます。
②裁断
仕分けされた原料を、次の工程である反毛機(はんもうき)にかけやすいように細かく裁断します。
③反毛機(はんもうき)にかける
反毛機という、シリンダーと呼ばれる針が植えられたドラムのついた機械を高速回転させ、
裁断された生地や糸などを引き裂くようにして ワタ にしていきます。
出来上がった ワタ のことを 反毛(はんもう)と言います。
色別に仕分けされた原料を反毛機にかけるので、当然ですが色付きの ワタ が出来上がります。
青色系統の原料を投入すれば 青っぽい色のワタ が出来上がりますが、なにせリサイクルの
原料ですから全く同じ原料が投入されることはないため、同じ系統の色でも毎回違う色の ワタ が
出来上がることになります。
これでリサイクルウールのワタである 反毛(はんもう) が出来上がりました。
④反毛を調合
出来上がった色付きのワタ(反毛)を複数色混ぜ合わせ、指定の色の ワタ を作ります。
指定の色に近い色だけでなく、隣の色相や一見すると必要なさそうな反対の色相の色なども混ぜる
ことで、単色染では出すことのできない深みとあたたかさのあるメランジ調の色になります。
指定の色を作ることも職人の色の知識、センス、経験が必要ですが、リサイクルの場合は
③の工程でもお話したように、毎回違う色の ワタ になるため、色のレシピ通りに作っても
同じ色にはなりません。より豊富な ワタ のストックや、色のブレンドの経験が必要となります。
ブレンドした ワタ の色見本をフェルトと言い、ひとつの指定色に対し2-3タイプのフェルト
を作成し色具合の確認を行います。決定したフェルトの色レシピで紡績量の ワタ を作り
紡績工場に運びます。
次回は リサイクルウールの工程②ー反毛を紡績し糸を作る を お送りします。