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〖最盛期!〗尾州産地レポート 1

作成日:2022.6.21 / 最終更新日:2022.6.21

ご覧頂きありがとうございます。

私たちのいる尾州産地は現在1年間で最も忙しい 最盛期 を迎えています。

ウールの産地なのでもともと秋冬物を得意としており、その年の秋冬の店頭に並ぶ服の生地は

4月から5月に生産が始まり、6月から8月お盆休み前に出荷、というケースが大半を占めます。

ところが一昨年、昨年はコロナの猛威により受注が激減、工場の稼働は火、水、木曜の3日間だけ!

なんて所も多々あり苦しい状況が続きました。

そんな尾州でしたがおかげさまで今年は受注も戻りつつあり、現在生産の真っ只中、土曜日も稼働

など久々の忙しさを取り戻しています。

今週は生産工程別に尾州の今!がわかる現状レポートをお届けしたいと思います。

尾州レポート① 原料(糸)

織物やニットの原料である糸背景はこれまでに

ない厳しい状況です。国内生産をやめ、ほとんど

を海外生産に移してしまったことの問題点が、

コロナ禍、ウクライナの戦争で露わになって

います。

<梳毛、合繊糸>

梳毛(ウールの細番手の糸)、最近の尾州の主力であるポリエステルとレーヨンの混紡糸などの

合繊糸は、海外生産が90%以上で中国やインドなどから調達しています。よって生産国および

流通ルート国のロックダウンなどの影響をもろに受け、手配はしているものの糸が入ってこない

状況が続いています。2-3月頃の先行き不透明さは脱していますが、特に梳毛は不足状態が続く

見込みです。

<紡毛糸>

紡毛糸(ウールの太番手の糸)は国内生産比率が高いのですが、糸の原料となるウールの綿(ワタ)は

輸入によるもので、海外情勢の影響を受けています。そしてウールの綿(ワタ)が調達できていたと

しても、糸にする紡績 が激減しており 紡績待ち の状態が続いています。現在発注した場合、ワタ

があっても糸になるのは8月以降、とも言われています。

尾州レポート② 糸染

糸染工場の状況は、大きな染色機は比較的空いて

いる所もありますが、小ロットの染色機は大変

込み合っています。

小ロットで何色も必要とするチェック柄などの

生産は要注意です。

メンズ生地の縮小、引き付けの生産など全体的に

以前より細かいロットでの生産を繰り返すように

なっていることも要因のひとつです。

尾州レポート③ 撚糸

3月-4月は撚糸工場が満杯で、撚糸にとても

時間がかかっていましたが、現在は撚糸スペース

を拡張された所もあり、込み具合は比較的緩和

されています。

特殊撚糸ものは工場も少なく、かわらず時間が

かかっています。

尾州レポート④ 織・編機

織の機場は、3月より込み始め、7月末頃まで

受注で埋まっているところが多いです。

特に組織ものが織れるドビー織機など特殊な織機

ほどスケジュールが埋まっています。

編機の方も人気の編機は集中しており、8月まで

受注で埋まっている機械もあります。

織、編ともに、そもそも機械に乗るまでの糸準備

が予定通りにすべてできるか、ということも

納期に差が出る大きなポイントとなっています。

尾州レポート⑤ 整理

整理工場だけではありませんが、コロナ禍中に

機械の入れ替え、工程、作業の効率化、スケール

ダウンなど様々な改革が行われました。

環境に優しくエネルギー効率の良い設備でパワー

アップした部分もありますが、統合や縮小による

生産能力と労力の不足が課題となり、4月から

込み合い、7月は大変な込み様になることが

懸念されています。

<後染>

コート地、ニットなど4月から込みあっているところもありますが、国内生産生機も遅れ気味、かつ

海外生機の入荷が遅れていることで、現在よりも今後の込み具合が危惧されています。

縮絨、起毛など工程の長い物は特に注意が必要です。

<先染>

3月末から込み始め4月以降は海外輸出が始まり、すでに8月お盆休みまで受注で埋まっています。

ウールや、ウール風など取り扱い商品の特徴から、もともと他産地と比較して整理工程が複雑で

長いのが尾州の整理の特徴です。フラノや圧縮などの縮絨系や起毛商品は、今後大変込み合うことが

予想されています。

尾州レポート、いかがでしたでしょうか?

不安要素は色々ありますが、それでも2年ぶりの注文にお応え

すべく、尾州産地はどの工場、工程もできる限りの対策を取り

全力で頑張っています!!

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